昨日のカターニア戦でのインテルの戦いぶりに感動してしまった自分に恥じながらも、
誇りを見せ、難砦カターニアの地で逆転に成功したインテル。
特に守備の堅いイタリアでは難しい2点のビハインドからの逆転劇。
しかもアウェイ戦となれば、難易度はかなりハードルが高くなるもの。
今回は、イタリアでライバルチームから俗に「Sfinter(sfinire=動詞:力尽きる + Inter)」と言われる、
インテルのここ10年間に起きた8試合のミラクル挽回劇を紹介します。参考元:
Yahoo! Italia Eurosport1. インテル - ラツィオ 3-3 2002年12月7日

repubblica.it内容: 「5月5日の悲劇」から初めてローマのオリンピコ・スタジアムへ向かったインテルの対戦相手は、
またもや同様のラツィオ。
前半にインテルを圧倒したラツィオは、すでに37分にクラウディオ・ロペスのトリプレッタで試合を決めていた。
しかし、フェルナンド・コウトによるオウンゴールから、インテルの時計は動き出す。
後半には、25mのトッティ並のループシュートを叩き込んだエムレ・ベロゾールのドッピエッタが飛び出し、
同点に追いついた。
当時のスコア
得点者:
ロペス(10’PK、31’、37’)、
フェルナンド・コウト(38’オウンゴール)、
エムレ(67’、76’)
ラツィオ: ペルッツィ、スタム、ネグロ、フェルナンド・コウト、パンカーロ(82’リヴェラーニ)、
フィオーレ(89’オッド)、シメオネ(66’ジャンニケッダ)、スタンコヴィッチ、
セーザル、コッラーディ、ロペス
監督: ロベルト・マンチーニ
インテル: トルド、サネッティ、コルドバ、カンナヴァーロ、パスクアーレ(85’ガマーラ)、
オカン・ブルク(31’レコバ)、アルメイダ、エムレ、セルジオ・コンセイソン、
ヴィエリ、クレスポ
監督: エクトル・ラウル・クーペル
エムレ最高!! って試合ですね。
そこまで古すぎるわけではありませんが、覚えている方はいらっしゃるでしょうか?2. インテル - ユヴェントス 2-2 2004年11月28日
corriere.it内容: 第13節、ファビオ・カッペッロ監督が率いる、所謂決してほぼ負けることのなかった
(そこまでは、10勝1敗1分)首位のユヴェントスと、引き分け能力に優れた
ロベルト・マンチーニ監督が率いるインテル(2勝10分)のイタリアダービー。
ユーヴェがマルセロ・サラジェタとズラタン・イブラヒモヴィッチのゴールによって2-0となった
後半から全てが起きた。
イブラヒモヴィッチが決めたPKの1分後に、マンチーニ監督は、チームの「変革」を図る。
アンディ・ファン・デル・メイデとエドガー・ダーヴィッツの2名のオランダ人を下げ、
ヴィエリとレコバを投入し、4-2-4とフォーメーションを変更。
この策が当たり、ユーヴェを圧倒し始める。
79分にヴィエリが正確な左足を振るって穴を開けると、続いてその6分後に、
今度はアドリアーノが黄金の左足を振るい、同点に追いついた。
当時のスコア
得点者:
サラジェタ(53’)、
イブラヒモヴィッチ(66’PK)、
ヴィエリ(79’)、
アドリアーノ(85’)
インテル: トルド、サネッティ、コルドバ、ミハイロヴィッチ、ファヴァッリ(46’ゼ・マリア)、
ファン・デル・メイデ(67’レコバ)、スタンコヴィッチ、カンビアッソ、
ダーヴィッツ(67’ヴィエリ)、マルティンス、アドリアーノ
監督: ロベルト・マンチーニユヴェントス: ブッフォン、ゼビナ、テュラム、カンナヴァーロ、ザンブロッタ、カモラネージ(84’ペッソット)、
エメルソン、ブラージ、ネドヴェド、イブラヒモヴィッチ、サラジェタ
監督: ファビオ・カッペッロ
ネドヴェドが放ったシュートの弾道がサラジェタに当たってコースが変わったんですね。
それにしてもインテルの前線は、ちょっと卑怯なくらい強力すぎですよ。
3. インテル - サンプドリア 3-2 2005年1月9日
fantasticainter.blogspot.com内容: 心臓が弱い者には相応しくない試合。
5年間も支配が続いたロベルト・マンチーニ時代のインテル。
しかし、この新年が明けて最初に行われたこのサンプドリア戦は信じがたい試合で、
前半終了間際に失点したトネットのゴールと83分に許したクトゥゾフのゴールで、
サンプドリアに2-0とされる。 試合は決まったか?と思われたが、全くそうではなかった。
マンチーニ監督は、マルティンス、レコバ、ヴィエリのスリートップを置いた
4-3-3にフォーメーションを変え、ロスタイムも含めたたったの4分で逆転に成功した。
当時のスコア
得点者:
トネット(43’)、
クトゥゾフ(83’)、
マルティンス(88’)、
ヴィエリ(90’+1’)、
レコバ(90’+2’)
インテル: トルド、サネッティ、コルドバ、マテラッツィ、ファヴァッリ、
クリスティアーノ・ザネッティ(64’マルティンス)、カンビアッソ、スタンコヴィッチ、
エムレ(83’カラグーニス)、ヴィエリ、アドリアーノ(77’レコバ)
監督: ロベルト・マンチーニサンプドリア: アントニオリ、ゼノーニ、カステッリーニ、ファルコーネ(58’パヴァン)、ディアナ、ヴォルピ、
パロンボ、トネット、フラーキ、ロッシーニ(73’クトゥゾフ)
監督: ワルテル・ノヴェッリーノ
マルティンスさまさま。 ヴィエリもインテルの歴史に名前を刻んだ1人ですね。
レコバは、今でも現役で点取ってるし。 カンビアッソは、いつ見てもゴールハンター。4. スーパーコッパ: インテル - ローマ 4-3 2006年8月26日
asrtalenti.altervista.org内容: インテルとローマの対決がしょっちゅうあった頃。
スパッレッティ監督率いるローマは、すでに前半の30分にマンシーニとアクイラーニ
のドッピエッタで3-0と試合を決めることに成功。
一方前半の終了間際に、パトリック・ヴィエラがかすかな希望を与えたインテルは、
後半にクレスポとヴィエラのドッピエッタで同点に追いつく。
延長戦に入り、モラルの面でも疲労困憊で足が止まったローマは、
フィーゴのフリーキックの前に沈んだ。
当時のスコア
得点者:
マンシーニ(13’)、
アクイラーニ(25’、34’)、
ヴィエラ(44’)、
クレスポ(65’)、
ヴィエラ(74’)、
フィーゴ(94’)
インテル: トルド、サネッティ、マテラッツィ、サムエル、グロッソ(54’マイコン)、フィーゴ、ヴィエラ、
カンビアッソ、スタンコヴィッチ(105’オリヴィエ・ダクール)、イブラヒモヴィッチ、
アドリアーノ(61’クレスポ)
監督: ロベルト・マンチーニローマ: ドニ、パヌッチ、メクセス、キヴ、クフレ、デ・ロッシ、アクイラーニ(80’トネット)、マンシーニ、
ペッロッタ、タッデイ(66’カッセッティ)、トッティ(27’ミド)
監督: ルチアーノ・スパッレッティ
クレスポのヘディングシュートは、どれを見ても綺麗ですね。
それにしても、クレスポ、イブラ、フィーゴって・・・今から考えると贅沢すぎですやん5. CL: ディナモ・キエフ - インテル 1-2 2009年11月4日
sport.sky.it内容: インテルのシーズンの分岐点となる試合で、それからCLを制覇した。
このキエフでのナイターゲーム以前には、2008年の10月22日から1年以上もの間、
欧州で勝利がなかったインテル。
この日は、グループリーグ突破への希望を与えるためにも勝利が必要だった。
そして、朗報が届く。 苦労したものの、その価値に値した。
前半にインテルにとって最大の敵であるアンドリー・シェフチェンコに先制点を決められた後、
モウリーニョ監督率いるインテルは、後半開始にバロテッリを加えた4-2-3-1へ
フォーメーションを変更し、それから最後には、サネッティとルシオ、マイコンによる3バックに変更。
そして86分と90分に、ミリートとスナイデルがそれぞれ得点して逆転に成功し、
インテルのサクセスストーリーは、この夜に始まった。
当時のスコア
得点者:
シェフチェンコ(22’)、
ミリート(86’)、
スナイデル(90’)
インテル: ジュリオ・セーザル、マイコン、ルシオ、サムエル(34’ムンタリ)、キヴ(46’バロテッリ)、
サネッティ、カンビアッソ(46’モッタ)、スタンコヴィッチ、スナイデル、エトオ、ミリート
監督: ジョゼ・モウリーニョ
この辺になってくると、未だに記憶に鮮明に残ってらっしゃる方も多いんではないでしょうか?
トリプレーテ(3冠)の年ですしね。 まあ、この年が色々な点で節目だったわけですが・・・6. インテル - シエナ 4-3 2010年1月9日
canaleinter.it内容: この試合の数ヵ月後に45年ぶりとなるCLカップを掲げることになる
モウリーニョ体制2年目のインテル。
当時、アルベルト・マレサーニ監督に率いられたシエナは、
サン・シーロで偉業を達成しようとしていた。
前半は、マッカローネとエクダル、そしてミリートとスナイデルのゴールで2-2。
後半には、またもやマッカローネがゴールを決めてシエナが逆転に成功するも、
87分にスナイデルが、この日2回目となるフリーキックを沈め、同点。
この時モウリーニョ監督は、サムエルに前線でプレーするよう指示。
まさにこの采配が当たり、ロスタイムの92分にサムエルのゴールで逆転に成功する。
当時のスコア
得点者:
マッカローネ(18’)、
ミリート(24’)、
スナイデル(36’)、
エクダル(37’)、
マッカローネ(65’)、
スナイデル(87’)、
サムエル(90’+2’)
インテル: ジュリオ・セーザル、マイコン、ルシオ、コルドバ、サネッティ(46’アルナウトヴィッチ)、
モッタ(66’ステヴァノヴィッチ)、クアレスマ(46’サムエル)、スナイデル、パンデフ、
ミリート
監督: ジョゼ・モウリーニョシエナ: クルチ(46’ペーゴロ)、ロージ、クリバリ、ブランドン、デル・グロッソ、ヴェルガッソラ、
コドレア、エクダル(81’ヤロリーム)、レジナウド(71’フィーニ)、マッカローネ、ヤヤロ
監督: アルベルト・マレサーニ
ほぼ無敵のモウリーニョ時代。 3冠獲ったのも頷けますね。
この日に2回もフリーキック決めたスナイデル・・・ガラタサライへ行くなんて考えてもいなかっただろうな。7. CL: バイエルン・ミュンヘン - インテル 2-3 2011年3月15日
sport.sky.it内容: モウリーニョ時代も終わりを告げた。 この時のインテルの司令官は、レオナルド氏。
悪戯なのか、そうなる運命だったのか、インテルはCL決勝戦で負かした相手と、
数ヵ月後に再び対戦することになった。
しかし、この時もインテルは相手を追い返した。
サン・シーロでゴメスにゴールを決められ0-1で折り返したインテルだったが、
アリアンツ・アレーナではその仕返しを見事に果たす。
エトオのゴールで先制するも、ゴメスとミュラーに逆転される。
それから63分にスナイデルが2-2とする同点ゴールを決めた後、
パンデフが終了間際の88分に、勝ち越しゴールを挙げた。
当時のスコア
得点者:
エトオ(4’)、
ゴメス(21’)、
ミュラー(31’)、
スナイデル(63’)、
パンデフ(88’)
バイエルン: クラフト、プラニッチ、ブレーノ(89’クロース)、ファン・ブイテン(70’バトシュトゥバー)、
ラーム、シュヴァインシュタイガー、グスタヴォ、リベリー、ミュラー、ロッベン(68’アルティントップ)、
ゴメス
監督: ルイ・ファン・ハール
インテル: ジュリオ・セーザル、マイコン、ルシオ、ラノッキア、キヴ(87’長友)、
スタンコヴィッチ(51’コウチーニョ)、モッタ、カンビアッソ、スナイデル、
パンデフ(89’カルジャ)、エトオ
監督: レオナルド(・ナシメント・ジ・アラウージョ)
長友選手、ついに。そして、昨日の
カターニア戦。
こう見ると、随分インテルも変わりましたね。
そんな中で昨日は、今だに健在であることを証明したスタンコヴィッチとカンビアッソの試合でした。
良いプレーは良いし、良い試合は良い。
サポーター云々を抜きにして、挽回する試合を見るのは、いつ見ても面白し感動するものです。
ただ、もしインテルが首位や2位だったなら、話はかなり違ったものになっていた可能性は否定できません。

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